拘禁刑と侮辱罪厳罰化を最終審議
懲役・禁錮を拘禁刑に一本化して受刑者ごとの作業・指導を行う刑法改正と、ネット上の誹謗中傷対策として侮辱罪の法定刑を引き上げる改正を最終審議した。社会復帰、被害者救済、表現の自由、捜査の慎重な運用が論点となった。
この会議の主要論点
- 01
拘禁刑で受刑者の特性に応じた更生・社会復帰を実現できるか
- 02
侮辱罪厳罰化が悪質な中傷の抑止と被害回復につながるか
- 03
現行犯逮捕などによる言論・表現の萎縮を防げるか
詳しい会議解説
この会議を背景から読む
公式会議録を基に、背景、審議の流れ、原文、確認できた結論、今後の確認点を分けて整理しています。
背景
刑法改正案は、懲役と禁錮を「拘禁刑」に一本化し、受刑者の特性に応じて作業や指導を組み合わせる制度へ改める一方、インターネット上の誹謗中傷被害を背景に侮辱罪の法定刑を引き上げる内容を一つの法案で扱った。被害救済を迅速にする必要性が認識される一方、侮辱罪は公人への批判や日常の表現にも関係し、逮捕・捜査が言論を萎縮させない歯止めが必要とされた。拘禁刑でも、改善更生を名目に作業・指導が一律に強制されないかが問われた。
何が審議されたか
拘禁刑については、受刑者を管理対象としてだけ扱わず、社会復帰に必要な教育、職業訓練、治療を個別に選べるか、懲罰を背景とした強制にならないかを審査した。作業報奨金や出所後の生活基盤も論点となった。侮辱罪では、悪質な中傷の被害者を救済し、発信者特定の負担を軽くする必要性と、表現の自由を守る必要性を並べて議論した。現行犯逮捕の制限、捜査機関への政府見解の周知、施行後の検証、民事上の削除・損害賠償手段を含む附帯決議が提示され、刑罰以外の救済策も確認された。
会議録の原文で確かめる
「前項の施策を推進するに当たっては、インターネット上の匿名での誹謗中傷による侮辱罪に関し、被疑者の特定に係る被害者の負担を軽減すること。」
「当然ながら悪質な誹謗中傷は到底許されるものではありませんが、それは民事上の救済手段の充実など、別の手段によって対応すべきです。」
確認できたこと
- 拘禁刑の創設と侮辱罪の法定刑引上げを含む改正案を最終審議した
- 誹謗中傷被害の救済と表現の自由への配慮を附帯決議で整理した
- 改正法成立後の捜査運用、拘禁刑の処遇、施行状況の検証が必要とされた
今後の確認点
- 侮辱罪の捜査・逮捕が正当な批判や論評を萎縮させていないかをどう検証するか
- 発信者特定、削除、損害回復を刑事手続以外でも迅速に利用できるか
- 拘禁刑で作業・指導を本人の特性と社会復帰に合わせ、事実上一律にしない運用ができるか
主な発言
5件の発言要約を収録。
有田 芳生
立憲民主・社民誹謗中傷の迅速な救済、発信者特定の負担軽減、表現の自由への配慮、捜査機関への慎重運用の周知を附帯決議として提案した。
議員ページへ →東 徹
日本維新の会拘禁刑と侮辱罪を一つの法案で扱う妥当性を問い、ネット中傷の被害者に対する給付、損害賠償、情報開示の支援を求めた。
議員ページへ →真山 勇一
立憲民主・社民侮辱罪の審議に憲法学者が参加していない点を指摘し、公人への批判や現場の逮捕判断で表現の自由が損なわれない基準を求めた。
議員ページへ →高良 鉄美
沖縄の風受刑者の特性に合う作業・指導と社会復帰を求め、侮辱罪の厳罰化は表現の自由への影響を慎重に検討すべきだと主張した。
議員ページへ →山添 拓
日本共産党拘禁刑の処遇が新たな強制にならないかを問い、侮辱罪厳罰化は逮捕範囲を広げ言論を萎縮させるとして民事救済の充実を求めた。
議員ページへ →関連法案
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